総選挙で全国最多の9人が立候補した東京１区（千代田、港、新宿）。
この有権者数約46万人の大票田では、民主党の海江田万里氏と自民の与謝野馨氏の間で大激戦が繰り広げられた。
そんななか、わずか652票という全国屈指の低得票数で落選したのが無所属の前田禎信氏（38）。
同氏の得票数は有効投票総数の10分の1を下回ったため、供託金は没収される。

「失業中で、供託金300万円を没収されればスッテンテンで身動きできなくなる」
という前田氏は、なぜ自爆覚悟で出馬したのか？

ZAKZAKによると、前田氏の実質的な選挙戦はわずか2日間。
新潟市在住で「交通費もなく、東京の滞在費もバカにならない」という経済的理由からだという。
貴重な2日間は、東京・秋葉原の駅前でたった1人、拡声器も使わずに白黒コピーのビラを配布した。
タスキはタオルにフェルトペンで名前を書いたもの。
また、「ビラも近所の５円コピーで印刷した」したものだという。

わざわざ東京１区に出たのは「新潟の有権者はテレビや新聞を見ただけで満足する人が多く、耳を傾けてくれない」。
ホームページやニコニコ動画に自身の主張をアップし、“IT戦”を中心に主張を展開しており、
立候補地は東京がふさわしいと判断した。

スローガンは「合衆国日本！」。道州制を意識しているかに見えるが
「単純にアメリカ合衆国のように自由、人権、独立をアピールした。
　（架空の大国が戦うロボットアニメ）『コードギアス』を参考にした」
と語る。
政策の中にはアニメーターの所得向上や、若手アイドルが活躍したイベントスペースがあった
秋葉原の石丸電気SOFT１（今年５月閉店）の代替施設を国費で借り上げる案も盛り込んでいた。