オージーが裸の付き合い　メルボルンの銭湯が人気　芸人、五輪選手、政治家ら常連

≪水着を着たい≫

上がり口で靴を預け、甚兵衛とタオルを受け取り、男湯、女湯へ。脱衣所にはドライヤーや洗面用品を備え、サウナも完備。入湯料は大人２６豪ドル（約２６５０円）で、別料金の指圧サービスも好評だ。風呂上がりに畳敷きの休憩ラウンジで日本酒やカップめんも楽しめる。
客の９割近くがオーストラリア人。経営者の増岡ヒロミさん（６３）によると、９年前に開業した当時は「水着を着たい」と言い張る人が多く、裸で入るよう説得するのに「毎日が戦い」だった。いかがわしい場所と勘違いする男性もいた。


≪「ここは日本」≫

宣伝はほとんどしなかったのに、口コミで広がり、今では年に１００回以上通う人もいる。「日常から抜け出してリフレッシュできるのが最高だよ」。月に数回は来るという弁護士の男性（５５）は、ぞっこんだ。
すっかり日本風の銭湯になじんだ地元客らだが、オージー風の利用法もある。普通はバーなどで開く独身時代最後の同性だけのパーティーをここで開くのが人気だという。一緒に汗を流し、風呂上がりの一杯で結婚を祝福する。
ウイークデーの昼下がり。「帰るとき、私の靴がそろえてあって驚いた。ここはやっぱり日本だ」。友人の勧めで出張帰りに立ち寄ったシドニー在住のアーティスト、リサ・ケリーさん（３４）は感激しきりだった。

http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200807020042a.nwc